Twinkleな彼は、【完】



その視線は嫌味じゃなくて、からかう意味で言ってるって分かるほど優しい口調



金髪の髪が目にかかって眩しい



「この間もココアこぼしたばっかりなんです…」


「その割にこのカーペットシミないね」


『ココアこんな綺麗にって落ちるんだ』って呟く芽吹先輩



「ココアは樹の家でこぼしてっ、」



「……い、つき…って、山川?」



あっ、やってしまった。


ぽろっと話してしまった。


どきりと心臓が嫌な音を立てて、途端に冷や汗が出てくる


「……………い、五木!です!五つの木って書いて五木!苗字です!高校の時の友達の名前で!」



無理のあるなかなか苦しい言い訳しか出てこなくて。



「ああ、いやびっくりした〜!」



『山川樹のことかと思った』って笑う


たしかに樹とは、大学も学部も同じだし、絶対にありえないことではない関係性が変にリアルだった
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