Twinkleな彼は、【完】

樹side


久しぶりにあける実家の玄関


相変わらずとっ散らかってる綺咲の靴


ほんとこの家は俺がいないと散らかる…


「あ、お兄ちゃん、何しに帰ってきたの?」


リビングの扉を開けると、呑気にテレビを見ている綺咲の姿


…楓の同じ高校目指してるのにそれでいいのかよ



「ちょっと春服取りに来ただけ」


もうすぐ3月だし、そろそろ春服を実家から移しておこうと思って取りに来た。


引っ越ししたときは一気に全部荷物を移すのがめんどくさくて、いるものしか移動させてなかったから。



「あ、そういえばさっきはなちゃんが、超イケメンと家に入って行ったよ〜」


2時間くらい前だけど、って呟く綺咲に頭が真っ白になる


「……は?」


先輩?


イケメン?


今、はなと男が2人でいるってこと?


家に入って何してるわけ?


心がザワザワして、ぎゅうと胸が狭くなっていく



「はなちゃんの彼氏になりたいって言ってたよ〜」



「は!?」



ありゃ本気だね、なんて呟く綺咲に頭がくらくらしてくる


はなのことを狙ってる男なんて昔からいたけど、家にあげたことなんてなかった。


「先輩なんだってさぁ〜お兄ちゃんピーンチ」



俺の気持ちを知ってる綺咲は、面白そうにからかってくる。



「何しに来てるわけ?」



「さぁ〜知らない〜」



…肝心なことを聞けよ!

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