Twinkleな彼は、【完】
「いいえ、じゃあまた明日ね」
小さく無気力に手を振る芽吹先輩。
また明日っていうのは、明日はバイトのシフトが被る日だから。
「はい!また明日。」
そういうと背を向けて、駅に向かっていく芽吹先輩。
本当にいい先輩だなあ。こんなポンコツ後輩にも優しくしてくれるなんて。
これで私も樹も単位落とさずに済む!!
「へえ、また明日ね…」
どこからともなく聞こえて来たハスキーな声に、上を向けば2階のベランダから顔を出す樹の姿。
「樹、帰って来てたんだね!」
おかえりーって、顔だけ見えている樹に手を振るけど、無反応。
「てか、バレちゃうよ!先輩まだ見えてるから見られちゃう!私上がるね!」
ちらっと先を見れば、まだ私たちの会話が聞こえてもおかしくない距離にいる芽吹先輩の姿。