Twinkleな彼は、【完】
急いで階段を駆け上がって、自分の部屋の窓を開ける。
「やっほー、懐かしいね!」
何ヶ月ぶりの窓越しの会話。
懐かしくて、ジーンとしちゃう。
…樹はそうでもないみたいだけど。
「……ん」
不機嫌な様子の樹が差し出して来たのは、あの日洗濯してくれたワンピース
シミひとつ残らず綺麗になってる。
「ありがとう!」
そう言って笑いかけても無反応。
難しそうな顔をして黙りしている。
なんかいつもと違う。
「樹?」
呼びかけてみると、やっとこっちを向いた。
「…あいつのこと好きなの?」
揺れる綺麗な目
予想外の質問に脳内が混乱する。
「あいつって芽吹先輩のこと…?」
「名前知らねえけど」
アーモンド型に細められた不機嫌な視線に、喉が詰まる。
「す、好きじゃ、ないよ!…勉強教えてもらってただけで」
なんで、そんなに怒ってるのか心底不思議に思う。
だって、樹のためにもなるんだよ?