Twinkleな彼は、【完】
「タブレット…?」
樹の部屋を回想して考える。
ああ、あのいつも持ってるやつか。
『そう18時から事務所で振り入れなんだけど、次のシングルの振り付け俺が考えてて、タブレットに動画入ってるんだ』
ただいまの時刻、15時半
樹もメンバーも他の仕事があり、それに同行しているマネージャーさんも取りに来る時間がないらしい。
『合鍵持ってるのは、はなしかいなくて』
「ええ!?そうなの?」
初めて聞いた衝撃の事実に、思わずベットから飛び起きる。
『うん、母さんにも綺咲にも渡してない』
さも当たり前かのように淡々と告げる。
「…そうなんだ」
いや、樹がいいなら、それでいいんだけどさ…
『頼める?』
「あー、でも17時からバイトなんだよね…」
もっと、早い時間ならすぐ行ってあげれたんだけどなぁ。
『あ、そっか。どーすっかな…』