Twinkleな彼は、【完】
「あ、ううん、何もない。……今から振り入れ始めるの?」
「そうだよ」
「見たいなぁ…」
少しばかりの願望。
「はあ?」
わざとらしく困った顔をする樹。
「だってーバイトもわざわざ代わって貰って駆けつけたんだよ?」
「…さっき、恩返しとかなんとか言ってたの誰だよ。」
ピクッとめんどくさそうに眉を動かして、ため息をつく。
うう、ケチだなぁ。
私、樹の踊ってる姿大好きだからずっと見てたいのに。
それにトップアイドルの振り入れを見れるなんて、幼馴染の特権じゃん?
「ああ!はなちゃん!」
「あ、大地さん!こんにちは!」
その活気に満ちた元気な声に、樹の背後を見ると大地さんが、ブンブンと大きく手を振っていた。
わんちゃんみたい。
今日も眩しい笑顔!
「はぁ…」
見つかった、って頭を抱えてる樹。
「お、はなちゃん!」
「風さん!」
さらに後ろから出て来たのは、Soleのラスボスこと風さん。
柔らかく微笑んで、手を振ってくれる。