Twinkleな彼は、【完】
独り占めしたいなんて、胸キュンワードには、幼馴染として、って枕詞が付いてんだよ。
自分のお兄ちゃんが近所の子と仲良いからなんか嫌だったとかそんなレベルなんだよ。
異性としてなんて1ミリも見られてない。
…もう騙されない
「そう?俺には蘭ちゃんにヤキモチ妬いて、樹を引き止めてるように見えたけど」
葉までそんなことを言ってくる。
「…はなはそんな一筋縄じゃいかねぇんだよ。あんなんで付き合えてたらもうとっくに付き合えてるよ」
あれくらいで手に入ってたら苦労しない。
「まあはなちゃんは小悪魔やもんなぁ…」
そう苦笑いしながら呟く渚
そうだ、期待したって意味がないことなんてこの20年間で学んだ。
でも、今まで俺が女の子といたって、『樹はモテモテだねぇ〜!』なんて呑気に笑ってたのに、昨日はやけに苦しそうな顔をしていた。
今までとは違う雰囲気を感じた気がする。
あれはなんだったんだ?