Twinkleな彼は、【完】

「やだなぁ!私がモテないこと知ってるくせに!ないない!」



「ほら、バカだ。」


呆れたように笑みをこぼす樹


久しぶりにみたその表情に胸が弾む


罪深い男だよ全く



「芽吹先輩に告白されたばっかのくせに」



「っ、う」


拗ねたように呟かれた言葉にぐうの音も出ない。


ちらっと樹を見ると、相変わらず不機嫌なまま



「…付き合うわけ?」


今にも消えそうなか細い声で紡がれた言葉


「こ、断ったよ?」


好きなんだもん。樹のことが。


樹にとっては迷惑かもしれないけど


「…そっか。良かった」



その言葉に耳を疑う


「っ、よ、良かったの?」


安心したような嬉しそうな笑顔に、思わず喉が詰まる



「そうだよ」


あっけらかんと私のことを見つめて笑う樹



「意味分かんない…」



好きな人いるのに、どうしてこんな思わせぶりばっかりするの…?


もっと好きになっちゃうじゃん。


この気持ち、止めなきゃダメなのに


「…ほら、バカだ」



そう言って、何か言いたげに笑う樹に、無条件に胸がぽかぽかする。


恋に気づいてしまったらもう全てが眩しくてたまらない。

< 202 / 259 >

この作品をシェア

pagetop