Twinkleな彼は、【完】

Jun.一番近くて一番遠い




「え、これどうしたの?」


なんだかお腹が空いて、リビングへ降りてきたら、びっしりタッパーに並んだ料理たち


でもどれも味が薄そうな料理ばかり



お粥とか、スープとか、美味しそうな香りはするけど。


ふう、と満足げにため息をついたお母さんがこちらに振り返る


「はな丁度いいところに来た。これ樹くんに持って行ってあげて」


え、樹?


「なんでまた突然?」


今まで、こんな大量の作り置き樹に持って行ったことないのに。


「あら知らないの?樹くん、今体調崩して寝込んでるのよ」


心配よね、って眉を下げながらそういうお母さん


「え、そうなの?」


あの日から、樹はドラマの撮影が忙しくて全く会っていなかった。



たしか、3日前くらいクランクアップしたのだって、朝の情報番組で知ったくらい


大学にも久しく来てない

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