Twinkleな彼は、【完】
オートロックのエントランスを合鍵であけて、樹の家の前、インターフォンを押す
合鍵持ってるからと言って、無断で入るのは流石にできないよね
「ゴホッ…はい」
インターフォン越しの辛そうな声が聞こえてくる
「お見舞い来たよ〜」
「はな?なんで?」
「お母さんに頼まれて来た!」
お母さんからは料理以外にも、ゼリーとか、氷枕とか、冷えピタとか、薬とか色んなものを持たされた。
相変わらず忙しい樹ママに代わってのことだろう
開けられた玄関の扉、足元が覚束ない様子の樹の姿
「はな」
いつも以上に掠れた声、赤い頬、いつもより下がる目尻
こんなにもしんどそうな樹は珍しいから、ちょっとびっくり
「だっ、大丈夫?」
相当しんどそうに見えるけど
「ん、なんとか」
そんな弱々しく微笑んだって、無理してるのはお見通しだよ
「何度あるの?」
「……39.3度」
「そんなにあるの?!立ってちゃダメだよね!ほら、ベット行って寝て!」