Twinkleな彼は、【完】
「振られるのが怖くて、ずっと樹を避けてる。好きな人がいるって分かってるからずっと隠して、諦めるつもりだったのに…でももし、樹がその好きな人と結ばれたら…私どうなっちゃうんだろう…ああ、もうわかんないよ…」
恋ってこんなに難しいんだね
みんな当たり前に恋して、彼氏がいるからもっと楽しいものだと思ってたけど悩んで臆病になっちゃうんだね。
頭を抱え込む私に、まだ中学3年生の綺咲はこれ以上踏み込むことができなかったのか、ずっと背中を撫でて隣にいてくれた。
「拗れてるなぁ…」
そんな風に呟く声は、後悔で頭がいっぱいになっている私の耳には届いていなかった。
こんなにも苦しいなら気づかないままの方が幸せだったかも、って考えることもあるし、
でも気づかなけば弾むようなあのトキメキも、この苦しさも知らないままだったって考えると寂しい気持ちになったりもする。
樹の笑顔が浮かんでは消えていく
…早く、消さないといけないのに、消えてくれない。