Twinkleな彼は、【完】
2日後
あの日から何度か試作を重ねて、やっと出来上がった渾身の肉じゃが
…私は何をやってんだか、惚れたもん負けとはこういうことか
保冷バックに入れたタッパーいっぱいの肉じゃが
久しぶりに握る樹の家の合鍵
エントランスを抜けて、エレベーターに乗り込み、玄関前で保冷バックを掲げて、
「…美味しくなーれっ」
なんて控えめに魔法をかけてみる
他人に見られてたらすっごい恥ずかしいけど、せっかく作ってたなら、樹が食べるなら、とびきり美味しいほうがいいよね
「お邪魔しまーす」
玄関を開けて入ると、一瞬で感じ取った違和感
「え、靴…」
…いつも履いている樹のお気に入りの靴が一足
玄関だって、廊下だって、リビングだって、明かりがついていた