Twinkleな彼は、【完】
「はな」
リビングの奥から当たり前かのように出てきたのは、もちろん樹だった
「なっ、なんでっ、今日いないって」
「はなが避け続けるから、嘘ついた」
悪びれる様子もなくそういう
その表情はやけに柔らかく、優しい
いないっていうから来たのにっ
そうやって目の前に現れると、こんなにも胸が痛くなるんだ
目を合わせることができない
「わっ、私帰るっ」
くるっと方向転換をして、外へ出るため玄関の扉を開けようとドアノブに手をかける
「逃さねーよ」
ドンっ、
低い声と共に、私の顔の真横に手が伸びてきて行手を阻む
背後に感じる樹の気配に、振り返ることができない
なっ、なんか密着してない?!
「っ、」
ふわり香ってくる樹の匂いに、顔が赤く染まってくるのがわかった
ドキドキして呼吸が浅くなる