Twinkleな彼は、【完】



「おいっ、大丈夫かっ?」


心配してすぐ駆け寄って来てくれる樹。


「あつ…」



手にかかったココアが熱くて、じんじんしてくるけど、そんなことより


「、…ごめん!新しいラグなのに」


白くておしゃれなラグが、ココア色に染まっているその景色を見て絶望


マグカップは割れてなさそうだけど…


引越しのために買ったって言ってたやつなのに。


急いでテーブルの上にある布巾で、ラグを拭くけどほとんど意味を成してないまま、広がっていく汚れ。


取れないよね、どうしよう



「ばか、自分の手を先に拭けよ」



不機嫌な声が隣から聞こえてくる。



「そんなの大丈夫だよっ、そんなことよりラグが…」


ちょっと、熱かっただけだから大丈夫。


樹のこということなんて聞かず、必死にラグを拭くことに集中


「私ってどこまでもポンコツだ…」


ココアのひとつも樹に出してあげられない自分が嫌になる


すると、私の手首を掴んで、


「ほら、赤くなってる」


って心配そうな顔をする。


「いいよ、私の手なんて、」



「ダメに決まってんだろ。はなの手なんだから」
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