Twinkleな彼は、【完】
「…そういえば、樹は彼女いないの?」
今まであまり気にしたことなかったけど、一度も浮いた話を聞いたことがない気がする。
だって、中学も高校もおかしいくらいモテててたし。
卒業式なんて、ほとんど裸で帰って来てたもんね…。何故か第二ボタンだけは私にくれたっけ。
「…俺にそんな隙ないんだけど」
何故か不機嫌そうな表情で、目の奥が揺れている。
「そっかあ、忙しいもんね」
今日だって、休みもらえたの1ヶ月ぶりじゃないのかな。
「そういう意味じゃないけど」
「ん?」
じゃあ、どういう意味?
「あのさ…その鈍感、わざとやってんの?」
一気に低くなったハスキーな声。
スイッチが入ったみたいに、どこか余裕のない表情
「何が…?」
「分かんないの?」
「わ、分かんないよ」
いつもと違う樹に戸惑いが隠せない。
突然なんでそんな真剣な表情してるんだろう。
綺麗な顔が不機嫌に歪んで、妖艶な雰囲気を纏う。