Twinkleな彼は、【完】
なんて呟いている声は、私には届いてなかった。
芽吹先輩は私と同じ大学に通う一つ上の大学3年生。
学部もサークルもバイトも同じで、関わりも深いことからよく話す一番仲がいい先輩だと思う。
「山川樹って、本当にあんなに天然な性格なのかね?」
俺学内ですれ違ったことしかない、っていう芽吹先輩。
「本当に天然ですよ!」
まあ、それ以上に天然だっていつも笑われるのは私なんだけどね。
「え?知り合い?」
油断してついぽろっと溢れた言葉。
きょとん、とした芽吹先輩の顔。
「あー…いや、」
「まあでもはなちゃん、学年も学部も一緒だもんな。俺、話したことすらないけど」
オーラすごすぎて近寄れない、って笑う芽吹先輩。
「わ、私も話したことはないです!」
そうなんだー、って笑う芽吹先輩。
大きな嘘をつくことはちょっぴり胸が痛むけど。
はあ、よかった、なんとか難を逃れたみたい。