Twinkleな彼は、【完】



「それより…あの先輩とご飯行くのか?」


「へ?」


なんのことだろう?


「さっき話してただろ」


サングラスの奥に、透ける揺れた瞳。


「…そんな話してた?」


ご飯?誰が?


なんでそんな心配そうにしてるんだろう。



「聞いてなかったのかよ…」


って呆れた声を出す樹。


ん?なんかよくわからないけど、私なんか芽吹先輩に言われてたのかな?



「だってこんなところに樹がいたんだもん!樹のことで頭いっぱいで何も聞こえてなかったよ!」


頭真っ白になったんだから!


バレたら大騒ぎになるのことなんて、いくらバカな私でも分かる。


「そ、いいじゃん」


って、何故か嬉しそうに笑った樹。



「これから帰るの?」



「いや、これから歌番組の撮影」


もう夜の9時だよ?

でも、次の新曲本当にかっこいいんだよなぁ。


5人の良さが出てて、全歌詞英語で、大人っぽい雰囲気と、大人っぽいセクシーなダンスが特徴。


「楽しみにしてるね!絶対見るから!」


「さんきゅ」


掠れた声でくしゃっと微笑んで、いつも通り頭をぽんぽんと撫でてくれる。


じんわり伝わる樹の温度


こうやって、当たり前にくれる優しさが温かくて大好き。

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