Twinkleな彼は、【完】


慣れた手つきで私の手を握って起こしてくれた


…小さな頃から、転んだ時に手を差し伸べてくれるのはいつも樹


「おかゆ作ってやるから、部屋で待ってろ。」


玄関まで送ってもらって終わるはずだったのに…


「あと、これ。」


そう渡されたのは、コンビニの袋に入ったゼリーや、冷えピタ。


…昨日あんなに怒っちゃったのに、どうしてこんな底なしに優しいの。



大人しく自分の部屋で待っていると、しばらくして湯気がたった土鍋を持った樹が入ってきた。


「ありがとう」



「うまいかわかんねぇけど。」


お粥なんて久々作った、って笑う


きっとスマホでレシピとか見て、一生懸命作ってくれたんだろうなぁ。


なんか嬉しい



蓮華でゆっくり救って、ふーふーって息を吹くとお粥の香りが鼻を掠めた。
< 63 / 259 >

この作品をシェア

pagetop