Twinkleな彼は、【完】
慣れた手つきで私の手を握って起こしてくれた
…小さな頃から、転んだ時に手を差し伸べてくれるのはいつも樹
「おかゆ作ってやるから、部屋で待ってろ。」
玄関まで送ってもらって終わるはずだったのに…
「あと、これ。」
そう渡されたのは、コンビニの袋に入ったゼリーや、冷えピタ。
…昨日あんなに怒っちゃったのに、どうしてこんな底なしに優しいの。
大人しく自分の部屋で待っていると、しばらくして湯気がたった土鍋を持った樹が入ってきた。
「ありがとう」
「うまいかわかんねぇけど。」
お粥なんて久々作った、って笑う
きっとスマホでレシピとか見て、一生懸命作ってくれたんだろうなぁ。
なんか嬉しい
蓮華でゆっくり救って、ふーふーって息を吹くとお粥の香りが鼻を掠めた。