Twinkleな彼は、【完】
Dec.君の役に立ちたい
あれから熱は下がって、もうすっかり日常生活を送っている。
いつも通り大学で歩いていると、見つけたのは樹の後ろ姿。
周りをきょろきょろ見渡してみても、誰もいない!
今なら話しかけれる!いいよね!
この間のお礼もまだ直接言えてないし、樹だってこの間大学で話しかけてくれたもん!
「樹!」
後ろから声をかけると、びくっと肩を上げて驚く
そんなに驚かなくなっていいのに。
「はなか…びっくりした」
振り向いた樹がぽつり呟く。
その目は、いつもみたいにキラキラ光を取り込んでなくて、真っ黒だった。
「学校で話しかけんなって」
「いーじゃん!誰もいないし」
それにこの間、私の熱に気づいてくれたときみたいに、周りに誰もいないよ?
「…よくねえよ」
って静かにいう樹だけど、やっぱりなんだかいつもと違う様子に違和感を覚える
ただ怒ってるとか、私が話しかけたからとか関係なさそう。
「樹?」
いつもより元気がない姿。
俯く樹を覗き込めば、こちらが戸惑ってしまうほどに暗い表情をしていた。