Twinkleな彼は、【完】
「…何かあった?」
その声かけに、潤む黒目がちな瞳が揺れる。
「…大丈夫だから」
弱くか細い声。
大丈夫、なわけがない。
こんなの放っておけるわけない。
そう言えば、樹ママも小枝さんも心配してた。
樹は弱音を中々吐かず、ただひたすらに平気なふりをするって。
「…樹、なんかあったでしょ?弱音吐いてもいいんだよ?」
「…っ」
私の目を見て、驚いた表情をした樹。
きっとこんなこと私から言われるなんて思ってなかったんだろう。
でも私も樹の役に立ちたいんだよ?
すると、
「ちょっとうけるんだけど!」
「いやいや、本当だって!」
向こうの方から女子二人組の姿が見えた。同じ学科の子だ!
やばい、このままじゃバレる。
ハッと樹を見ると、いつもだと素早い判断をするのに、何も考えれてない様子だった。