Twinkleな彼は、【完】
「綺咲寝たな」
後部座席で眠る綺咲をルームミラーで確認した樹がいう。
「相当、疲れてたんだね」
あんな寒いところにずっといて、風邪ひかなければいいけど。
綺咲、月曜日からちゃんと学校行けるかな…?
「はな」
「ん?何?」
樹の方を見るけど、運転している樹はもちろん前を向いていて、視線は交わらない。
「ありがとう。ほんと感謝してる」
真っ暗な中、車窓から入ってくる街灯だけが樹の綺麗な凹凸を妖艶に照らす。
「えー今更ー?」
って、ふざけていうと、
「いつも思ってるよ」
柔らかく微笑みこっちを向いて、一瞬だけ交わった視線。
その表情の美しさに思わず息を呑む。
信号は赤に変わって、ゆっくり停止する車。
「いつもありがとうな。」
もう一度私を見て、その瞳に誘い込むような笑顔を向けてくる。
「っ、う、うん!」
いつも通り伸びて来た手が、ぽんぽんと私の頭の上で弾むこの行為さえ、ドキドキと胸が鳴る。
…最近、私おかしい。