軽率に恋 シリーズ2
緊張していたのか、身体だけが異常に疲れている。
二人とも、一回り小さくなったように見える。
「あこ、この後予定ある?」
『別にないよ。何で?』
「飯でも「前田くーん!学校来てたんだ、偶然!これからコンビニ行くんだけど、一緒に行かない?」
蓮斗の反応に見向きもせず、半ば強引に外へ連れ出そうとする一軍女子連中。
どこから現れたのか、補修が終わったベストタイミングで、蓮斗はコンビニに誘拐されて行った。
名前と顔が一致しない女子たちにも、愛想を振り撒かないといけない。
私には必要ない愛嬌だから他人事だけど、人気者は大変だなと思う。
誘拐されるところを無感情で傍観していると、蓮斗と目があって、
「ごめん。待ってて」
と口パクでお願いされた。