【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
——朝の着替え……? 眠る前の、お話し相手っ?!
マリアはジルベルトの言葉を頭の中で何度も反芻する。どうやら聞き間違いではなさそうだ。
「あの……私っ。皇城の下働きではないのですか……?!」
「命の恩人のマリアに礼を尽くすと言った。俺の身の回りの世話以外は、特に何もしなくていい。俺がそばにいられない間は、マリアが退屈をしないで済むよう専属の世話役を付けよう」
片肘をついたまま、外の景色を眺めるジルベルトはなぜだかとても機嫌が良さそうだ。
マリアの心臓が、ふたたび騒がしく高鳴りはじめる。
——ちょっと待ってください、そんなの、仕事じゃありません……っ!