【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!


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 睫毛に差す眩しい日差しに目を覚ませば。
 ふかふかの柔らかな枕に、自分の頬が沈んでいることに気が付いた。

「ぅん……」

 油断をすれば閉じようとする目蓋をゆっくりと持ち上げる。
 まどろみの中でもそれがわかるほど身体中が心地良くて。

 ——私、夢の中にいるの?

 きらきら眩しい光に目を細める。
 そこは昨日までマリアが寝起きをしていた、狭くて薄暗い屋根裏部屋ではない。

 全体に茶系の、落ち着いた色調でまとまった豪華なしつらえ。
 小さい頃に本の挿絵で見た美術館のような部屋だ。

 ——ここは、どこ……?

 軽くてふわふわの寝具に身体がすっぽり包まれている。余りの心地良さにもう一度、目を閉じた。

 ひと呼吸したのち……「いけないっ」と意識を引き戻す。

 がば、と寝具をめくって起き上がる。
 夜着も薄いガウンもソファで眠ってしまったそのままで、指先に巻かれた真っ白な包帯が神々しい。
 みるみるうちに昨日の出来事が思い出され、微睡(まどろ)んでいた身体が突然冷や水を浴びせられたように縮こまってしまう。

「私ったら、また失敗を……っ」

 ——どうしてあのまま眠ってしまったの!
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