【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
フェルナンドが業を煮やしたように執務机の正面に歩み寄り、執務机の正面に立つ。
フェリクスは「やれやれまた夫婦喧嘩が始まるぞ……」と呟きながら、彼の定位置の来客用のソファーに座って両手と足を組んだ。
「この三日間、やれ公務だの謁見だのと理由立てをして、故意に私を避けていたのはわかっている」
フェルナンドの方を見もせずに、ジルベルトは書類に押印し続けている。
ジルベルトを冷ややかに見ていたフェルナンドだが、堪えきれなくなったその拳がダン! と執務机を叩いた。
「とうとう耳が聞こえなくなったのか?! ……ジルベルト。今日は友人として言わせてもらう。《《あの日》》……あの祭りの日に、お前とともに誓いを立てた親友としてな」
ここでジルベルトがようやく顔を上げた。
親友として、とまで言われては、もうこれ以上彼の苦言を聞き流すわけにもいかなかった。
「あの日の忠義の誓いを、忘れたとは言わせんぞ。帝国のためだけに生き、帝国のためだけに尽くす。俺はあんたのその忠義心に付いてきたんだ。家督を捨て、伯爵位からの降格まで受けてな……。なのにあんたは……たかが色恋に浮かれた気持ち一つであの誓いを台無しにしてしまうつもりなのか!? 俺の忠義まで失っても良いと言うのか……?」
フェリクスは「やれやれまた夫婦喧嘩が始まるぞ……」と呟きながら、彼の定位置の来客用のソファーに座って両手と足を組んだ。
「この三日間、やれ公務だの謁見だのと理由立てをして、故意に私を避けていたのはわかっている」
フェルナンドの方を見もせずに、ジルベルトは書類に押印し続けている。
ジルベルトを冷ややかに見ていたフェルナンドだが、堪えきれなくなったその拳がダン! と執務机を叩いた。
「とうとう耳が聞こえなくなったのか?! ……ジルベルト。今日は友人として言わせてもらう。《《あの日》》……あの祭りの日に、お前とともに誓いを立てた親友としてな」
ここでジルベルトがようやく顔を上げた。
親友として、とまで言われては、もうこれ以上彼の苦言を聞き流すわけにもいかなかった。
「あの日の忠義の誓いを、忘れたとは言わせんぞ。帝国のためだけに生き、帝国のためだけに尽くす。俺はあんたのその忠義心に付いてきたんだ。家督を捨て、伯爵位からの降格まで受けてな……。なのにあんたは……たかが色恋に浮かれた気持ち一つであの誓いを台無しにしてしまうつもりなのか!? 俺の忠義まで失っても良いと言うのか……?」