【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
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『星祭り』の夜に復活したマリアとジルベルトの添い寝は、今日で三日になる。
本当なら幸せ溢れる時間になるはずが、二人は互いに異なる複雑な気持ちを抱えていた。
カラ元気を装っていても、マリアはまるで自分の半身を失ったように生気がなかった。
愛らしい笑顔には憂いが滲み、何を話しかけてもすぐに言葉を詰まらせてしまう。
ジルベルトはその理由——頼れるメイドであり、友人でもあったラムダがいなくなったこと——を察している。
「気持ちが落ち着くまで、早めに寝台に入ろう」
ジルベルト自身も、今夜ばかりは昼間のフェルナンドの剣幕が胸の内にのしかかる。
アルフォンス大公がわざわざ執務室を訪ねてまで進言してきたガルヴァリエ公爵令嬢との縁談が、抑鬱状態に追い討ちをかけていた。
以前にも増して、ジルベルトはマリアを慈しむように抱きしめて眠る。
唯一の味方だったラムダの庇護を失い、フェルナンドをはじめ後宮を牛耳るアルフォンス大公夫人、『皇太子の寵姫』に関して心無い噂を立てはじめた後宮の女たち……周囲は敵ばかりのマリアが不憫に思えて仕方がなかった。
マリアをに皇宮に連れて来たのは自分だ。
せめて自分だけは味方でいてやりたいという想いがジルベルトの庇護欲を掻き立て、まるで宝物を扱うように大切に、胸の中に閉じ込めた。
『星祭り』の夜に復活したマリアとジルベルトの添い寝は、今日で三日になる。
本当なら幸せ溢れる時間になるはずが、二人は互いに異なる複雑な気持ちを抱えていた。
カラ元気を装っていても、マリアはまるで自分の半身を失ったように生気がなかった。
愛らしい笑顔には憂いが滲み、何を話しかけてもすぐに言葉を詰まらせてしまう。
ジルベルトはその理由——頼れるメイドであり、友人でもあったラムダがいなくなったこと——を察している。
「気持ちが落ち着くまで、早めに寝台に入ろう」
ジルベルト自身も、今夜ばかりは昼間のフェルナンドの剣幕が胸の内にのしかかる。
アルフォンス大公がわざわざ執務室を訪ねてまで進言してきたガルヴァリエ公爵令嬢との縁談が、抑鬱状態に追い討ちをかけていた。
以前にも増して、ジルベルトはマリアを慈しむように抱きしめて眠る。
唯一の味方だったラムダの庇護を失い、フェルナンドをはじめ後宮を牛耳るアルフォンス大公夫人、『皇太子の寵姫』に関して心無い噂を立てはじめた後宮の女たち……周囲は敵ばかりのマリアが不憫に思えて仕方がなかった。
マリアをに皇宮に連れて来たのは自分だ。
せめて自分だけは味方でいてやりたいという想いがジルベルトの庇護欲を掻き立て、まるで宝物を扱うように大切に、胸の中に閉じ込めた。