【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
「違う……こんな……大事なものに、剣を向けるはずがない……」
「……私は、大丈夫です。あなたを……信じていますから」
密着していた身体を切り離し、自分への遣り場のない憤りに溢れた碧い瞳が眇められ、マリアをじっと見下ろした。
「信じる……? こんな恐ろしい目に遭わされておきながら、信じると言うのか……危うく俺に、殺されかけたのに」
いつになく頼りない手のひらが、マリアの頬を躊躇いがちに包み込む。
痛々しい擦り傷のある耳朶にかかる髪を、壊れものにふれるようにそっと、長い指先で梳いた。
「何があっても信じます。たとえその想いを裏切られる未来があったとしても。あなたは永遠に……私の大切な人です」
ジルベルトを見上げる、わずかに憂いを帯びたアメジストの瞳がふわりと微笑んだ——それが合図だった。
今夜ばかりは、堪えきれなくなった想いが溢れ出す。
お互いがもう限界だった。
頬を包む大きな手のひらに導かれるようにして、震える唇と唇がそっと重なりあう。
くちづけを交わせば歯止めが効かなくなることくらい、もうずっと前からわかっていた。
「……私は、大丈夫です。あなたを……信じていますから」
密着していた身体を切り離し、自分への遣り場のない憤りに溢れた碧い瞳が眇められ、マリアをじっと見下ろした。
「信じる……? こんな恐ろしい目に遭わされておきながら、信じると言うのか……危うく俺に、殺されかけたのに」
いつになく頼りない手のひらが、マリアの頬を躊躇いがちに包み込む。
痛々しい擦り傷のある耳朶にかかる髪を、壊れものにふれるようにそっと、長い指先で梳いた。
「何があっても信じます。たとえその想いを裏切られる未来があったとしても。あなたは永遠に……私の大切な人です」
ジルベルトを見上げる、わずかに憂いを帯びたアメジストの瞳がふわりと微笑んだ——それが合図だった。
今夜ばかりは、堪えきれなくなった想いが溢れ出す。
お互いがもう限界だった。
頬を包む大きな手のひらに導かれるようにして、震える唇と唇がそっと重なりあう。
くちづけを交わせば歯止めが効かなくなることくらい、もうずっと前からわかっていた。