【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
「厨房? ああ、猫のエサですね。あとで持って来ますわ。ほらこの通り……つい先ほど、ラムダさんの代わりを正式に仰せつかったところですのよ」
アーニャ、という名のメイドは手に持っていた3つ折りの紙を広げると、指先で摘んでこれみよがしにひらひらと宙に泳がせた。
「お茶役付きのメイドなんて、好んで手を挙げる者などいませんわ。《《通常なら》》お茶役ご自身が、ご自分の《《味方》》になる者を世話役として連れて来るものですから」
——それって……。
皇族方のお茶役にとって、宮殿のメイドたちはみんな敵だとでも言っているの?
アーニャの指先をすり抜けた白い紙がひらりと舞って、マリアの足元にするりと落ちた。
「あら、失礼。悪いけど拾ってくださる?」
アーニャ、という名のメイドは手に持っていた3つ折りの紙を広げると、指先で摘んでこれみよがしにひらひらと宙に泳がせた。
「お茶役付きのメイドなんて、好んで手を挙げる者などいませんわ。《《通常なら》》お茶役ご自身が、ご自分の《《味方》》になる者を世話役として連れて来るものですから」
——それって……。
皇族方のお茶役にとって、宮殿のメイドたちはみんな敵だとでも言っているの?
アーニャの指先をすり抜けた白い紙がひらりと舞って、マリアの足元にするりと落ちた。
「あら、失礼。悪いけど拾ってくださる?」