【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
 これは《《わざと》》だろうか。
 マリアはアーニャを一瞥するが、問うても仕方のないこと。

 足元に落ちた書類を拾おうとしたマリアの目に、見覚えのあるものが飛び込んでくる。

「……この形、どこかで……」

 書き連ねられた文字の下に、二つの印影が押されている。
 一つは誰かのサインと小さな菱形の印影、そしてもう一つは……。

 親指の先ほどの大きさの赤い印影—— 頭に冠を載せた大鷲が翼を広げ、国旗のようなものを足に携えている。

「あのっ、アーニャさん、これは……?! この……鷲の形をした印影です」

< 342 / 580 >

この作品をシェア

pagetop