【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
「二人ともやめろ。慰労の酒だ」


 《新たに加わった友人のためのグラスを卓上に置き、ジルベルトの手で三つのグラスにルビーレッドの液体が注がれる。
 とくとくと耳に心地よい音。甘酸っぱい香りが立ち昇る。
 ソファにゆったりと座って寛いだ三人は、それぞれグラスを持ち上げる。》


「乾杯」

「……うんまっ! これ、ディープクロエの当たり年のやつ、限定百本! さすが殿下の執務室、良いの揃えてますね」

「仕事場に酒を持ち込むのはどうかと思うがね」
「文句を言うなら。そのグラス、取り上げるぞ?」


 《しばしの沈黙。三人は美酒を堪能している様子。》
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