【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
「お茶役だって、同じじゃないですか」
「マリアは……時が来れば手放す。彼女の望む待遇を与え、生涯不自由の無いようにしてやりたい」

「そんな事、マリアちゃんが望むとでも? 殿下のマリアちゃんへの愛情って、そんなもんですか?!」

「望むも望まぬも、それしか道は無い」


 《口を閉ざしていたフェルナンドが、ジルベルトをちら、と見遣る。
 そしてグラスに残ったルビーレッドの鮮やかな液体をぐい、と飲み干す。》


「フェルナンド。君とあの日に誓いを立てた友人として、そして君の主君として。先日の問いかけの答えを言おう」

「ああ、聞かせてくれ。お前の本当の気持ちをな……!」
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