【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
思わず心臓がどくりとし、その甘やかな笑みにこちらの思考のほうが融けてしまう。
恥ずかしさと混乱のあまり、何も考えられない。
「マリア」
とろけるように甘やかな声で名を呼ばれれば、またくちづけを落とされる。翻弄されてどうすれば良いかわからない。
うまく息が吸えずに掠れた声を洩らすと、面輪を離したジルベルトが困ったように眉を寄せた。
「そんなに愛らしい声で惑わせてくれるな。愛らしすぎて……いつまでもくちづけていたくなる」
「そ、それは……っ」
思わずふるりと被りを振ると、そうやって焦るのも愛らしいと、言葉を紡ぐ碧い瞳にまた笑われてしまった。
どうやら……揶揄われたらしい。
「何か飲む? 取ってくるよ。何がいい?」
マリアを膝から降ろして隣に座らせる。そのまま立ち上がってソファを離れようとするジルベルトの服の袖をおもむろに掴んだ。
——欲しいものは、欲しいと——。
ラムダのように強くなって、自分の気持ちをきちんと伝えられるようになりたい……!
だたひとこと言葉を伝えたいだけなのに。
胸を叩く音がもっと大きくなって、くちづけで荒くなった呼吸が更に荒くなる。
「ん、どうした?」
「あ………の………っ」
恥ずかしさと混乱のあまり、何も考えられない。
「マリア」
とろけるように甘やかな声で名を呼ばれれば、またくちづけを落とされる。翻弄されてどうすれば良いかわからない。
うまく息が吸えずに掠れた声を洩らすと、面輪を離したジルベルトが困ったように眉を寄せた。
「そんなに愛らしい声で惑わせてくれるな。愛らしすぎて……いつまでもくちづけていたくなる」
「そ、それは……っ」
思わずふるりと被りを振ると、そうやって焦るのも愛らしいと、言葉を紡ぐ碧い瞳にまた笑われてしまった。
どうやら……揶揄われたらしい。
「何か飲む? 取ってくるよ。何がいい?」
マリアを膝から降ろして隣に座らせる。そのまま立ち上がってソファを離れようとするジルベルトの服の袖をおもむろに掴んだ。
——欲しいものは、欲しいと——。
ラムダのように強くなって、自分の気持ちをきちんと伝えられるようになりたい……!
だたひとこと言葉を伝えたいだけなのに。
胸を叩く音がもっと大きくなって、くちづけで荒くなった呼吸が更に荒くなる。
「ん、どうした?」
「あ………の………っ」