【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
廊下の壁に、女性の肖像画がずらりと並んでいる。
どの女性も頭に冠を乗せているので、きっと歴代の皇族の歴史を彩る皇妃や皇女たちだろう。
目の端に写し取りながら進んで行くが、ふと目に止まった肖像の女性の胸元に、覚えのあるものを見た。
——『鍵』……。
注意して見れば、他の女性たちの肖像画にも一様に同じものが描かれているのがわかる。
途端、マリアの心臓がとくりと音を立てた。
——これは偶然?
自分の胸元にそっと手をあてる。
外からは見えないけれど、ここにも、マリアのお守りの『鍵』がある。
心を過ぎる星祭りでの幸せな思い出を慌ててかき消した。今は甘い気持ちに浸っている場合ではない。
マリアは他でもなく、『後宮』という未知の領域に向かっているのだから。
——こんな事になるなんて、予想もしていなかったけれど……
どの女性も頭に冠を乗せているので、きっと歴代の皇族の歴史を彩る皇妃や皇女たちだろう。
目の端に写し取りながら進んで行くが、ふと目に止まった肖像の女性の胸元に、覚えのあるものを見た。
——『鍵』……。
注意して見れば、他の女性たちの肖像画にも一様に同じものが描かれているのがわかる。
途端、マリアの心臓がとくりと音を立てた。
——これは偶然?
自分の胸元にそっと手をあてる。
外からは見えないけれど、ここにも、マリアのお守りの『鍵』がある。
心を過ぎる星祭りでの幸せな思い出を慌ててかき消した。今は甘い気持ちに浸っている場合ではない。
マリアは他でもなく、『後宮』という未知の領域に向かっているのだから。
——こんな事になるなんて、予想もしていなかったけれど……