【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
その一角に——ざっと二十名ほどだろうか。
色とりどりの花のような、華やかなドレスに身を包んだ令嬢たちが座るテーブルがあった。
幾つも置かれた大きな花瓶の花々と相まって、そこはまるで花畑のよう彩られている。
待って、また心づもりができていない。
そんなマリアの気持ちなどお構いなしで、アーニャは迷いもなくずかずかと《《花畑》》に向かって進んでゆく。
「あら……アルフォンス大公夫人は、まだお見えではないようですわね?」
初めて耳にした文言に、心臓がまたどくりと鳴る。
——アルフィンス、大公夫人……?
私にお手紙をくださった方のお名前だわ。そんな立派なお方からご招待を受けたなんて……。
「皆様、大変お待たせを致しました。わたくしはこの度、アルフォンス大公夫人より仰せつかったアーニャと申します。後宮における春のお茶会に、わたくしがお仕えをしております獅子宮殿の、マリア様をお連れいたしました」
色とりどりの花のような、華やかなドレスに身を包んだ令嬢たちが座るテーブルがあった。
幾つも置かれた大きな花瓶の花々と相まって、そこはまるで花畑のよう彩られている。
待って、また心づもりができていない。
そんなマリアの気持ちなどお構いなしで、アーニャは迷いもなくずかずかと《《花畑》》に向かって進んでゆく。
「あら……アルフォンス大公夫人は、まだお見えではないようですわね?」
初めて耳にした文言に、心臓がまたどくりと鳴る。
——アルフィンス、大公夫人……?
私にお手紙をくださった方のお名前だわ。そんな立派なお方からご招待を受けたなんて……。
「皆様、大変お待たせを致しました。わたくしはこの度、アルフォンス大公夫人より仰せつかったアーニャと申します。後宮における春のお茶会に、わたくしがお仕えをしております獅子宮殿の、マリア様をお連れいたしました」