【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
マリアはたじたじとなった。
突然に豹変した令嬢たちのただならぬ気配に、どうすれば良いのかわからない。
仕方なくマリアが目を泳がせていると……。
令嬢たち各々は顔を見合わせ、声もなく、小さくうなづき合った。
「まっ、マリア……《《さま》》っ……!」
「ほら……足元がお辛いでしょう、どうぞお座りになってくださいませ……!」
誰からともなくマリアに優しい言葉をかけてくる。
何故だかわからぬが、周囲から届くあれほど剣のあった声色も、うわずった猫なで声に変わっていた。
そんななかで、ただ一人。
令嬢たちの動揺にもかかわらず、全く動じずにいるのはリズロッテ王女だ。
リズロッテは——マリアをまるで《《憐れなもの》》でも見るように、冷ややかに眼を眇めて言ったのだった。
「マリアさん、皆さんをいつまでお待たせするつもり?! さっさとお座りになって!」
突然に豹変した令嬢たちのただならぬ気配に、どうすれば良いのかわからない。
仕方なくマリアが目を泳がせていると……。
令嬢たち各々は顔を見合わせ、声もなく、小さくうなづき合った。
「まっ、マリア……《《さま》》っ……!」
「ほら……足元がお辛いでしょう、どうぞお座りになってくださいませ……!」
誰からともなくマリアに優しい言葉をかけてくる。
何故だかわからぬが、周囲から届くあれほど剣のあった声色も、うわずった猫なで声に変わっていた。
そんななかで、ただ一人。
令嬢たちの動揺にもかかわらず、全く動じずにいるのはリズロッテ王女だ。
リズロッテは——マリアをまるで《《憐れなもの》》でも見るように、冷ややかに眼を眇めて言ったのだった。
「マリアさん、皆さんをいつまでお待たせするつもり?! さっさとお座りになって!」