【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
眼前に立つマリアの存在に気付いた大公夫人は、先ずマリアの擦りむいた肘に目をやり、眉をひそめた。
「あなた、その怪我は?」
怪我の次に目を向けたのは——マリアの胸元に光る『鍵』。
その刹那、夫人は目を見開き、驚いた表情をする。
動揺を他に悟られぬよう、幾度となく咳払いをしてみせた。
「こほん……。さて、茶会の招待を受けてくださって嬉しいわ、マリアさん。ここに集まる後宮の者たちが、どうしてもあなたに会いたいと懇願いたしますのよ。そんな彼女たちの《《熱意》》に、このわたくしも、ついに根負けをしてしまったのです」
お座りなさい。
軽くうなづくようにして大公夫人が視線で合図を送れば、令嬢たちは会釈をして静かに席に着く。
「あなた、その怪我は?」
怪我の次に目を向けたのは——マリアの胸元に光る『鍵』。
その刹那、夫人は目を見開き、驚いた表情をする。
動揺を他に悟られぬよう、幾度となく咳払いをしてみせた。
「こほん……。さて、茶会の招待を受けてくださって嬉しいわ、マリアさん。ここに集まる後宮の者たちが、どうしてもあなたに会いたいと懇願いたしますのよ。そんな彼女たちの《《熱意》》に、このわたくしも、ついに根負けをしてしまったのです」
お座りなさい。
軽くうなづくようにして大公夫人が視線で合図を送れば、令嬢たちは会釈をして静かに席に着く。