【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
「大公夫人、マリアを連れて行く。リズロッテ王女には追って処分の沙汰があるものと思え」
リズロッテの失望と落胆と言えば、彼女に好意を抱かぬ者の目にまで哀れに映るほどだった。
椅子の座面に崩れ落ちるように、へなへなと腰を下ろす。
手柄を挙げて自国の援助を促すどころか皇太子の逆鱗に触れ、怒りを買ってしまったのだ——。
「マリア、おいで。ここは君が居る場所じゃない」
マリアの手を取ったジルベルトは、剥き出しの肘に血を滲ませる真新しい擦り傷に気が付いた。
「怪我をしたのか。誰にやられた!?」
途端、碧い眼が令嬢たちをぎろりと睨めつけ、再び周囲を震え上がらせる。
「重刑に処されるのを覚悟の上での愚行か……! 発覚次第、その者を……」
「待ってください、殿下っ」
腰砕けのリズロッテの代わりに鈴の音の声を発したのは、それまで押し黙っていたマリアだった。
リズロッテの失望と落胆と言えば、彼女に好意を抱かぬ者の目にまで哀れに映るほどだった。
椅子の座面に崩れ落ちるように、へなへなと腰を下ろす。
手柄を挙げて自国の援助を促すどころか皇太子の逆鱗に触れ、怒りを買ってしまったのだ——。
「マリア、おいで。ここは君が居る場所じゃない」
マリアの手を取ったジルベルトは、剥き出しの肘に血を滲ませる真新しい擦り傷に気が付いた。
「怪我をしたのか。誰にやられた!?」
途端、碧い眼が令嬢たちをぎろりと睨めつけ、再び周囲を震え上がらせる。
「重刑に処されるのを覚悟の上での愚行か……! 発覚次第、その者を……」
「待ってください、殿下っ」
腰砕けのリズロッテの代わりに鈴の音の声を発したのは、それまで押し黙っていたマリアだった。