【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
「誰のせいでもありません、私が勝手に転んだのです。ここにおられる皆さんは、私に優しくしてくださいました。落ち度があるとすれば、この私の方です。ろくにご挨拶もせず、皆さんを不快な気持ちにさせてしまったのも私です」
ジルベルトは眉を顰め、碧い瞳を細く眇める。
今までの状況や冷や汗を滲ませながら目を泳がせる令嬢たちを見ても、マリアが彼女たちを庇っているのは明らかだ。
「それに……リズロッテ様には、本当に酷いことをしてしまいました。
私は——。リズロッテ様の祖国、フォーン王国を財政難で滅亡を辿る一途だと罵り、彼女の唯一の希望だった帝国からの援助を求めることについて、浅ましいと発言し、リズロッテ様のお怒りを買いました。
殿下がもしも私のことを大切に思ってくださるのなら、リズロッテ様に恩赦をお与えくださいませ。全ては、この私が招いたことなのです。
私を寵姫だと仰ってくださるのなら、あなたの寵姫が犯した罪滅ぼしに……リズロッテ様の祖国に、どうか、救いの手を差し伸べてあげてくださいませんか?」
強い意思を持ったアメジストの瞳が、ジルベルトを凛と見上げる。
マリアの発言に誰よりも驚いたのは——他でもなくリズロッテだ。
生きる屍のような目をして茫然と椅子に座っていたが、エミリオに肩を叩かれ、顔を上げる。
——あの女……今、何を言ったの……?
ジルベルトは眉を顰め、碧い瞳を細く眇める。
今までの状況や冷や汗を滲ませながら目を泳がせる令嬢たちを見ても、マリアが彼女たちを庇っているのは明らかだ。
「それに……リズロッテ様には、本当に酷いことをしてしまいました。
私は——。リズロッテ様の祖国、フォーン王国を財政難で滅亡を辿る一途だと罵り、彼女の唯一の希望だった帝国からの援助を求めることについて、浅ましいと発言し、リズロッテ様のお怒りを買いました。
殿下がもしも私のことを大切に思ってくださるのなら、リズロッテ様に恩赦をお与えくださいませ。全ては、この私が招いたことなのです。
私を寵姫だと仰ってくださるのなら、あなたの寵姫が犯した罪滅ぼしに……リズロッテ様の祖国に、どうか、救いの手を差し伸べてあげてくださいませんか?」
強い意思を持ったアメジストの瞳が、ジルベルトを凛と見上げる。
マリアの発言に誰よりも驚いたのは——他でもなくリズロッテだ。
生きる屍のような目をして茫然と椅子に座っていたが、エミリオに肩を叩かれ、顔を上げる。
——あの女……今、何を言ったの……?