【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
その一方で、マリアはふるりとかぶりを振る。
「いいえ……。殿下が今仰った事の半分は、事実ではありません。殿下は全てを見越して、ロレーヌ川の橋梁工事を急いでおられたのでしょう? 財政難に苦しむ大切な属国、フォーン王国を立て直すためにはどうするのが最善かを、ずっと以前から、考えていらっしゃったのですよね?」
ジルベルトは一瞬驚いたような顔をしたが、何かを誤魔化そうとするように拳を口にあて、こほんと咳払った。
「そんなっ、殿下が……我がフォーンのことを、お気に留めてくださっていたなんて……っ」
へなへなとまた腰砕けになるリズロッテを、友人のエミリオとフィフィーが両脇から支える。
「本当に、二年越しのとんだ取り越し苦労ですわね、リズロッテ様。きっと笑い噺になって、後宮で語り継がれますわよ?」
「それでも……帝国からの支援を受けられるのなら、良かったです、本当に……っ!」
リズロッテを支えながらエミリオは冗談を交えて頬を緩ませるが、フィフィーは泣き出してしまう。
「いいえ……。殿下が今仰った事の半分は、事実ではありません。殿下は全てを見越して、ロレーヌ川の橋梁工事を急いでおられたのでしょう? 財政難に苦しむ大切な属国、フォーン王国を立て直すためにはどうするのが最善かを、ずっと以前から、考えていらっしゃったのですよね?」
ジルベルトは一瞬驚いたような顔をしたが、何かを誤魔化そうとするように拳を口にあて、こほんと咳払った。
「そんなっ、殿下が……我がフォーンのことを、お気に留めてくださっていたなんて……っ」
へなへなとまた腰砕けになるリズロッテを、友人のエミリオとフィフィーが両脇から支える。
「本当に、二年越しのとんだ取り越し苦労ですわね、リズロッテ様。きっと笑い噺になって、後宮で語り継がれますわよ?」
「それでも……帝国からの支援を受けられるのなら、良かったです、本当に……っ!」
リズロッテを支えながらエミリオは冗談を交えて頬を緩ませるが、フィフィーは泣き出してしまう。