【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
『できるだけ長く……一緒にいられたらと』

 まるで詫びるように、マリアの耳元で紡がれた言葉。
 ジルベルトへの想いを腕の中に閉じ込めて、ジル猫をぎゅっと抱きしめた。

「はい……。私もあなたと、少しでも長く一緒にいたいです」

「ビャッ」
(く……苦しいにゃ……でも嬉しいにゃ——)

 ——できるだけ目立たぬように、壁の花に徹するしかない……!

 マリアは、ぐ、と唇を噛みしめる。
 妖精のドレスにそっとふれながら、強く心を決めるのだった。

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