【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
「私は思いついた提案を述べただけです。実際に援助や支援をお決めになられたのはジルベルト殿下です」
「ふふっ……リュシエンヌ王女。この皇城にまで堂々と潜り込んでおきながら、案外謙虚なのですね? その謙虚さが、わたくしや殿下の目を欺くための《《装い》》でなければ、ですが」
「どういう意味でしょうか」
「あら……よろしいのかしら? わたくしがここで、あなたの《《真の目的》》を口に出してしまっても」
「真の、目的?」
「ええそうよ……。もしもわたくしの想像通りだとすれば、あなたの目的は——名を変えて正体を偽り、シャルロワ王家を殲滅させたジルベルト殿下への復讐……!」
想像もしていなかったその言葉に虚を突かれた顔になる。
「いずれにせよこれ以上、あなたを皇太子殿下のそばに置いておくわけにはいきませんわ。もう決心は固まっておりますの。今日、この舞踏会の場で皆さんに表明して差し上げます——」
リズロッテはその面輪にみるみる緊張の色を滲ませていく。
翡翠の瞳を眇め、形の良い眉根をぎゅ、と寄せた。
「亡国シャルロワの『雲隠れ王女』、リュシエンヌはあなただと……!」
「ふふっ……リュシエンヌ王女。この皇城にまで堂々と潜り込んでおきながら、案外謙虚なのですね? その謙虚さが、わたくしや殿下の目を欺くための《《装い》》でなければ、ですが」
「どういう意味でしょうか」
「あら……よろしいのかしら? わたくしがここで、あなたの《《真の目的》》を口に出してしまっても」
「真の、目的?」
「ええそうよ……。もしもわたくしの想像通りだとすれば、あなたの目的は——名を変えて正体を偽り、シャルロワ王家を殲滅させたジルベルト殿下への復讐……!」
想像もしていなかったその言葉に虚を突かれた顔になる。
「いずれにせよこれ以上、あなたを皇太子殿下のそばに置いておくわけにはいきませんわ。もう決心は固まっておりますの。今日、この舞踏会の場で皆さんに表明して差し上げます——」
リズロッテはその面輪にみるみる緊張の色を滲ませていく。
翡翠の瞳を眇め、形の良い眉根をぎゅ、と寄せた。
「亡国シャルロワの『雲隠れ王女』、リュシエンヌはあなただと……!」