【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
10、鏡の令嬢
*
ふたたび円舞が始まり、楽団の演奏はより一層華やかなものになった。
相変わらず周囲から向けられる好奇の視線が刺さるようだ。
ジルベルトとともに人の輪を逸れると、何人かの令嬢たちが走り寄ってきて皇太子に恭しく淑女の礼を取る。
そのあとはまるで競い合うように、後宮で何度か一緒にお茶を嗜んだ令嬢たちがマリアの周囲を囲むようにして黄色い声を上げはじめた。
「マリアさまっ……とても素敵でした!」
「ええ、本当に。まるで絵画のようだとはお二人のことですね」
マリアを一人の令嬢として見ているかどうかは分からぬが、あからさまな意地悪や嫌悪感を示されることはもうない。
「ダンスもお上手だったなんて。流石は皇太子殿下が認めた方ですわ!」
ふたたび円舞が始まり、楽団の演奏はより一層華やかなものになった。
相変わらず周囲から向けられる好奇の視線が刺さるようだ。
ジルベルトとともに人の輪を逸れると、何人かの令嬢たちが走り寄ってきて皇太子に恭しく淑女の礼を取る。
そのあとはまるで競い合うように、後宮で何度か一緒にお茶を嗜んだ令嬢たちがマリアの周囲を囲むようにして黄色い声を上げはじめた。
「マリアさまっ……とても素敵でした!」
「ええ、本当に。まるで絵画のようだとはお二人のことですね」
マリアを一人の令嬢として見ているかどうかは分からぬが、あからさまな意地悪や嫌悪感を示されることはもうない。
「ダンスもお上手だったなんて。流石は皇太子殿下が認めた方ですわ!」