【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
『優しさだけでは皇太子の隣に立てない。あなたの強さを見せて。わたくしから(したた)かに殿下を奪って……!』

 ラムダはなぜあんな事を言ったのだろう。

「ガルヴァリエ公爵令嬢は……ジルベルトの婚約者は、ラムダだった……!」

 悪い夢でも見てるんじゃなかろうか。
 目を閉じても、浮かんでくるのは二人で笑い合ったあの輝く日々の記憶だけだ。

 ——ラムダのようにはなれない。
 自分の弱さが嫌い。弱い私なんて大嫌い——!
 
「ねぇラムダ……。私はどうすれば……?」

 問いかける相手は、ガルヴァリエ公爵令嬢のミラルダではない。
 いつでもマリアの心に寄り添って、励まし支えてくれたメイドのラムダだ。


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