【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
 寵姫への情に(ほだ)された皇太子が何を言おうが、大公である自分は正しい判断をせねばなるまい。
 長年の捜索を経てようやく見つけた雲隠れ王女を、このまま放置するわけにはいかぬ。

 通りがかった侍従を呼びつけ、耳打ちをする。

「獅子宮殿内にいるマリアという名のお茶役を探して捕らえ、北棟に投牢しておけ。今すぐ騎士団長に伝えるのだ——皇太子の許可は取ってある」

 何も知らず、想いに耽るマリアの元に騎士団が駆けつけたのは、それから半時間も経たぬ頃だった。



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