【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
凛とした表情だけではない。
毎夜ジルベルトの寵愛を受けるマリアは、今となれば愛らしさと相まって女性らしい艶かしさを纏っている。
磨けば磨くほど、無限に輝きを増す輝石——。
ミラルダが『敬愛する人』は何を語るのか。
——不遇な環境にありながらも折れない心。わたくしにはない『芯』を、あなたは持っている。
マリアなら、わたくしの期待をきっと超えてくれる……!
「廊下の絵画はあなたが描いたのでしょう? とても素晴らしいわ」
「画家になりたいと言ったのは本気だったって、わかってくださったかしら」
こわばった頬をわずかに緩めたマリアだが、そのまま押し黙ってしまう。
それでも意志を持った視線は、しっかりとミラルダを見据えていた。