【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!

「わたくしからも改めて宣戦布告よ。マリアに負けないような『折れない芯』を持った女性になる。これからは正々堂々と、画家を目指すわ」

「ミラルダ……っ。あなたがメイドの『ラムダ』だった頃から憧れていたけれど、今のあなたはもっと素敵よ……!」
「マリアの方こそ。いいえ、リュシエンヌ。ふふっ……わたくしたち二人とも、まるで別人に変身したみたいね?」

 どちらからともなく大きく伸ばした腕が、互いの身体を力いっぱいに抱きしめる。
 抱擁は息苦しいほど強かったけれど、大きく膨らんだ信頼と敬愛は心地よく二人を包み、満たすのだった。

「お互いにパワーアップして、宣戦布告までし合えたのですもの。わたくしたち、最っ高のライバルになれますわね……!」

「私っ、まだ未熟で足りないところだらけだけれど……。あなたに恥じぬよう、殿下の隣に立つのに相応しい皇妃になってみせます。だからどうか……見守っていて? 私の大切な親友として」

「もちろんよ、リュシエンヌ。改めて、これからもどうぞよろしく……!」

 太陽のように微笑んだミラルダが両手を緩め、ねぇ、これを見て。と振り向いて、窓際の布が掛かった大きなキャンバスと向かい合った。

 白い布が取り払われると。
 マリアは目の前に現れたものに息を呑む。

「ミラルダ、これって……」

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