【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
「あのっ……平気ですか?」
愛らしい声に気付いて隣を見れば、丸い大きな瞳が心配そうに見上げている。
す、と華奢な白い指先が伸びて、ジルベルトの額に触れた。
「ん?」
「ぁっ、いえ……。頬が赤いので熱があるのかと」
慌てて引っ込めようとする手を強引に捕まえる。
そのまま持ち上げると自分の頬に持っていき、マリアの冷たい指先に火照った熱を移すようにあてがった。
——ミラルダが認めた君だからこそ、今もこうして一緒にいられるのだな。
「ああ、熱がある。マリアの事を想うと俺の身体は熱くなる……」
手のひらに収めた指先を今度は唇に持っていき、目を閉じてゆっくりと甘いキスを落とす。
今度はマリアの頬が火事になる番だった。
伏せた翼の睫毛に見惚れていると、うすらと開いた薄碧い瞳に見つめられる。
宵に愛される時と同じ強烈な雄の色香に打ちのめされて、昼間だと言うのに腹の奥がずくりと疼いた。
「あっ、あ……の……!」