空に咲く花を見上げる、その相手は君以外ありえないから

「いいんじゃない?2人とも仲良いし、お似合い、だよ!」

暗くならないようにあえて明るく話した。

「芙実は? 芙実は好きな人いないの?」

話の延長で朱璃が問う。


律くん

思わず声に出しそうになって慌てて首を横に振った。


「いるわけないよ。好きな人。」

あはは、と笑って誤魔化すけど朱璃は少し難しそうな顔をして「そっか。」と答えるだけだった。


嘘をついているから申し訳ないとは思ってる。

でも、だからと言って言えるはずもない。

朱璃が好きって知ってるから。

知ってるのに好きとか、そんなの言えるわけない。

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