空に咲く花を見上げる、その相手は君以外ありえないから

それを律にうながされる形で言うことになるとは。

嬉しすぎて思わず笑みが溢れる。


ちょっと視線を上げたら律の顔も赤くなっていた。


「律、真っ赤じゃん。」

「朱璃が先に赤くなったんだろ。」

「それもそっか。」


私が笑うと律も笑った。


「花火、きれいだね。」


律の隣に並びながらそう言えば、「だな。」と返された。


でも、それじゃあ足りない。


「ねぇ、そこは『花火よりも朱璃の方がきれいだよ。』とか言うところでしょー?女子心分かってないなー。」

こんなこと言うの両想いだって分かったばかりなのにわがまますぎるかな。

< 26 / 27 >

この作品をシェア

pagetop