空に咲く花を見上げる、その相手は君以外ありえないから
嘘だろ。聞こえてたのか?


「あれね、私、聞こえてた…かも?」

疑問形にしなくても朱璃がこうやって言うということはほぼ確信してるはずだ。


「俺が、なんて言ったか当ててみたら?」

でも、素直に言うのは照れくさくて少しそっぽをむく。


「いや、でもそれで違ったらなんか、自意識過剰みたいでしょ?それはやだからこの問題、白紙で返す。だから解答ちょーだい?」

右手で紙を渡すように、左手は上向きに広げて朱璃は俺を見上げた。


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